暮らしと水
赤ちゃんは大人よりも体温が高く、代謝も激しいので汗をかきやすいといわれています。特に初夏から夏にかけては、一年で一番汗をかきやすい時期です。本記事では、赤ちゃんの汗の性質や汗疹(あせも)のケア方法、水分補給の方法をご紹介します。
「赤ちゃんは汗っかきだ」とよく聞きますが、それには理由があります。
体の水分量は大人が約60%であることに対して、赤ちゃんは70~80%といわれています。
また、赤ちゃんでも大人でも汗腺の数は変わらないため、大人よりも皮膚の表面積が小さい赤ちゃんのほうが汗腺の密度が高く、汗をかきやすいのです。大人の2倍は汗が出るといわれています。
赤ちゃんに必要な水分補給の量(母乳やミルクも含む)は、体重10kgまでは1kgあたり1日100mlが基準です。
例えば、9kgの赤ちゃんだと1日に合計900mlほどの水や母乳、ミルクが必要になります。
生後4カ月を過ぎていれば、湯冷ましや煮沸した水を1日に何度か口に運んであげましょう。
ウォーターサーバーなどで天然水がすぐに飲める環境があると、赤ちゃんにも安心な水を手軽に飲ませてあげられるため、脱水の観点からも良いでしょう。
汗をかくこと自体は、汗の気化熱を利用して体温を下げる体温調節の役割を担っているので、問題ではありません。特に、寝起きに赤ちゃんの頭が汗でびっしょり……ということはよくありますが、起きたあと水分がたくさん飲めて、ぐったりせず機嫌が悪くなければ問題ないでしょう。
ただし、汗をかいて濡れた衣類をそのまま着させていると、体温を適正より下げてしまう原因にもなるので、赤ちゃんがたくさん汗をかいたらなるべく早く着替えさせてあげましょう。
また、抱っこ紐をしているときやベビーカー、チャイルドシートに乗っているときは、汗をかきやすく、皮膚が擦れてあせもができやすい状態でもあります。移動が長時間になる場合は、途中で赤ちゃんの様子や汗の量を確認してあげましょう。
反対に、暑い環境にいるのに汗が出ないことのほうが、実は熱中症のサインの一つで危険な兆候です。
汗をかいていても、「表情がほとんどない」「ぐったりしている」「意識がほとんどない」「体温が平熱よりもかなり高い」などの状態のときも、脱水症に陥っている恐れがあります。救急車を呼ぶなどして、すぐ医療機関の診察を受けるようにしましょう。
大人以上に汗をかきやすく、お肌も敏感なため、あせもができやすい赤ちゃんの皮膚。
あせもができやすい部位や、あせもができたときの皮膚の状態について知っておきましょう。
赤ちゃんの体であせもができやすいのは、首周りやわきの下、肘の内側、太ももの付け根、膝裏などの皮膚と皮膚が重なっている部位です。このような部位は通気性が悪く、汗が溜まりやすいので、あせもができやすいと言えます。
また、皮膚が重なっていなくても、抱っこ紐やチャイルドシートが当たる胸や背中などもあせもができやすい部位になります。
髪の毛の量が多い赤ちゃんは、首の後ろや髪の生え際などにあせもができてしまうことも。
先述のとおり、赤ちゃんの皮膚は大人よりも汗腺の密集度が高いです。汗がたくさん出るだけではあせもにはなりませんが、汗の成分であるアンモニアや塩分が皮膚に長時間残って汗腺をふさいでしまうと、あせもができやすくなります。
あせもができやすい部位(肘や膝など皮膚と皮膚が合わさっている部位や、胸、背中など)に赤みがあるときや、赤い小さな発疹がパラパラとできているときはあせもができていると考えられます。
あせもができるとかゆみが出るので、赤ちゃんがぐずぐずとかゆそうな仕草をしたり、機嫌が悪くなったりするはずです。
あせもを予防するには、どのような方法があるのでしょうか。
まずは、汗の成分を皮膚に残さないことが大切です。汗をたくさんかいたときは、早めにシャワーや行水などで汗の成分を洗い流すようにしましょう。
もし、シャワーがすぐにできないときはお湯などで濡らしたタオルなどで肌を優しくおさえるようにして、汗の成分をタオルに吸着させるのも有効です。このとき、乾いたタオルで汗を拭き取ろうとすると、汗の水分は取れますが、アンモニアや塩分などの成分は肌に残ってしまいますので、必ず湿ったもので拭いてあげましょう。
有効成分を含んだ市販のあせもシートを使うのもひとつの方法です。
赤ちゃんが身につける衣服にも注意しましょう。
肌着は汗を吸湿しやすい綿などの素材で、メッシュタイプのような通気性の高いものがおすすめです。洋服は、暑い時季は特に、少しゆとりをもったサイズで風を通しやすいデザインのほうがよいでしょう。
紙おむつや布おむつでも、新しいおむつに取り替えるまでの時間が長いとあせもができやすくなります。
特に紙おむつの場合、シャーリングなど漏れ防止の加工がされている腰や太もも辺りは、密着度が高いのであせもにつながりやすいです。
布おむつの場合は、おむつカバーを止める腰回りの部分の生地が厚くなるので、あせもができやすい部分だと言えます。
あせも予防のために、汗をかきやすい季節はこまめにおむつを替えるだけでなく、しばらく裸で過ごすことも必要ですね。
おむつを替える際、おしりふきで拭いたあとに、うちわや扇風機などで風を送り、ベビーパウダーを少量手につけてよく伸ばし、赤ちゃんの皮膚の合わせ目にごく薄くつけてあげるのも効果的です。
赤ちゃんにあせもができてしまった場合のケアや対策方法をご紹介します。
まずは、あせもの予防と同様に汗をしっかり洗い流してあげます。あせもができた赤ちゃんの肌はいつも以上に敏感になっていますので、擦るなどの刺激を与えないように気をつけます。
皮膚を清潔にしたら、あせも用のローション(桃の葉ローションなど)を塗布します。ローションの量はあせもの面積にもよりますが、手の平全体が濡れるくらいたっぷり使いましょう。
また、あせもによってかゆみが出ることもありますので、赤ちゃんの爪は短く切り、皮膚を掻き壊さないように注意してあげましょう。
赤ちゃんは、「喉が渇いた」「汗をたくさんかいて不快」「あせもができてかゆい」といったことを言葉で表現できません。ぐずったり泣いたりすることで周囲の大人に訴えています。
特に暑い季節は、赤ちゃんの様子を見たり、背中やお腹、脇などに時々手を入れて汗を大量にかいてないか確認したりして、脱水チェック、あせもチェックをしてあげましょう。
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