デイリーウォーター by goo

暮らしと水

筋トレによる疲労の回復方法は?
筋トレと疲労の関係をパーソナルトレーナーが解説!

イメージ画像

筋トレをすると起こる疲労ですが、その疲労をしっかりと回復してトレーニングを行わないと、期待している筋トレ効果が得られなかったり、オーバートレーニングになってしったりする恐れもあります。本記事では、筋力トレーニング(以下、筋トレ)をする際にトレーニングプログラムと一緒に考えてほしい疲労のメカニズム、適正なトレーニング、そして疲労からの回復方法について、パーソナルトレーナーが解説します。

筋トレと疲労は切っても切れない関係

筋トレにはさまざまな種類がありますが、その多くは負荷をかけながら筋肉を伸び縮みさせたりすることになります。
筋力アップなどの体の変化に必要な負荷をかけたトレーニングを行うと、筋肉に微細な損傷が発生します。この筋肉の損傷により、いわゆる「筋肉痛」などが生じて一時的な痛みや疲労感をともないます。

しかし、筋トレで筋肉にストレスをかけ、筋肉が微細な損傷から回復した際に以前より強い組織になることで、トレーニング効果が得られます。トレーニング効果には、筋肉量が増える、体力が増進するなどがあります。疲労感を感じないほどの弱い負荷では、このような効果はあまり期待できません。

また、トレーニングを行うと筋肉や血中のエネルギー(グリコーゲン)を使うため、血糖値が下がります。これを疲労感として感じる場合もあります。

オーバートレーニングと適正なトレーニングの違い

筋トレをしていると、「オーバートレーニング」という言葉を見聞きすることがあるでしょう。トレーニングによって生じた体の疲労がしっかり回復しないまま積み重なっていくと、オーバートレーニングの状態となり、慢性的な疲労状態に陥る危険性があります。ここでは、適正なトレーニングとオーバートレーニングをどう見極めるか解説します。

適正なトレーニングの目

適正なトレーニングとは、量(セット数や回数)・負荷(重量など)・トレーニングの難易度などが行う人の身体レベルに合ったものを指します。

例えば、筋肉をつけていく段階のトレーニング負荷は、10~12回程度を3~5セット程度できる重量で行うことが一般的です。
しかし、これを3回あるいは1~2セットしかできないとなると、その人にとっては負荷が強すぎると言えます。
また、負荷や難易度が高すぎてフォームが崩れてしまうような場合も、思ったようなトレーニング効果が得られないことが多いです。

適正なトレーニング量の目安は、疲労の回復とのバランスを考慮するとよいです。
例えば、筋肉痛などがまだ残っている段階で、同じ部位のトレーニングを行うとトレーニングのパフォーマンスが上がらない(適正な負荷をかけられない)ばかりか、筋肉痛ではなく、慢性腰痛や肉離れといった筋や腱の損傷の原因となります。

そのため、特に以下の2点を考慮しながら筋トレを行うようにしましょう。
・同じ部位のトレーニングは、筋肉痛などが回復する48~72時間程度空けてから行う
・同じプログラムを毎日行わない

オーバートレーニングの目安

オーバートレーニングの目安となるのは以下の4点です。 ・トレーニングの継続中に、疲労などによってこれまで行えていた負荷(重量や回数)ができなくなる
・理由もないのに体重が減少し続ける
・眠気や疲労感、食欲の減退がある
・平常時の心拍数が増える

トレーニングを続けている最中に上記のような変化を感じた場合、オーバートレーニングの恐れがあります。
「適正なトレーニング」から離れていないか、プログラムや頻度などを修正し、体調に合わせ適度に休息日を設けて筋トレを行いましょう。

筋トレ後の疲労を回復する3つの方法

筋トレを行うと、前述のとおり筋肉に微細な損傷が発生します。
この損傷からの回復を早めることで、次回のトレーニングを早く行えて、より効率よくトレーニングの効果を得ることができます。

クールダウンのストレッチ

筋トレによる疲労状態からの回復方法として、まず挙げられるのがストレッチです。
筋トレは基本的に筋肉を収縮させることがほとんどのため、トレーニング直後の筋肉はもとの状態よりも柔軟性が低下している状態になっています。

そこで、ストレッチ、つまり筋肉を伸ばすことで筋肉の状態を元通りに維持させられます。

筋トレ後のストレッチは、クールダウンとして行うため、ゆっくりとした動作、あるいは伸ばしたまま20~30秒ほど呼吸を止めずにポーズを静止させる「静的ストレッチ(スタティックストレッチ)」がおすすめです。

簡単な静的ストレッチを2例ご紹介します。

よく用いられる前屈のストレッチは、腰背部やハムストリングス(太ももの裏)の筋肉の緊張を緩和します。ポイントは、ただ体を前にかがめるのではなく、下の写真のように脚の付け根(股関節)から曲げ、お腹と太ももの前側を近づけるように行う意識をもつことです。
前屈のストレッチ

手を胸の前で組んで、軽く首を倒して体を丸めるストレッチは、背中の筋肉に効きます。デスクワークによって背中の筋肉が固くなり姿勢が崩れることもあるため、普段、筋トレをしない人にもおすすめのストレッチです。
手を胸の前で組んで、軽く首を倒して体を丸めるストレッチ

柔軟性の向上を期待して、反動をつけたり無理やり伸ばしたりする動作を続けると、腱を痛めることや反射作用でより筋肉が収縮してしまうことがあるため要注意です。

ほかにも、入浴などで心身ともにリラックスすることで回復を促進し、より早い回復効果を得ることも大切です。

良質な食事と睡眠

ストレッチやリラックスすることとあわせて必ず行いたいことが「補給」と「休息」、つまり食事と睡眠です。トレーニング後に栄養補給を行い、休息をとらなければ、せっかく筋トレを行っても筋力や体力アップの効果は得られません。

あくまでトレーニングは「刺激」であり、栄養が「材料」、そして休息(睡眠)中に体が作り変えられるため、トレーニング(運動)と補給・休息はセットとして考えましょう。

栄養補給の基本は「エネルギーが不足しないこと」です。
体重を落としたい人でも、極端なカロリー制限をしてしまうと運動の効果が得られないばかりか、体調に悪影響を及ぼすことが多いため注意しましょう。 筋肉を増やす体づくりをしていきたい方は、エネルギー量だけでなく、タンパク質の十分な摂取を意識的に行うことが重要です。

こまめな水分補給

筋トレ後のスムーズな回復には、こまめな水分補給も欠かせません。
運動中の発汗を補うためにも必要な水分補給ですが、疲労回復に重要な「代謝」を行うには水分と血液循環が必要なため、運動後もしっかり水分をとり、体内の水分が不足しないようにしましょう。

また、脂質疾患の傾向がある方は、水分補給を怠ることで血管系疾患などのリスクが高まることがあります。

美容のために水の質にもこだわる方がいるように、体づくりのために自宅にウォーターサーバーなどを導入して、質の良い水分補給を行っている方もいます。

筋トレ効果は回復することで得られる

トレーニングによって身体を変化させるには「運動」「休養」「補給」のバランスが大切です。せっかく行ったトレーニングを無駄にしないためにも、ぜひこれらのポイントに留意しながら運動を継続し、より早く・より良い身体の変化を得ましょう。

執筆者プロフィール

田子 政昌(パーソナルトレーナー)
パーソナルトレーニングジムVITALIZE 代表、NSCA公認パーソナルトレーナー、CSCS、日本スポーツ協会公認アスレティックトレーナー、日本トレーニング指導者協会認定上級トレーニング指導者。
学生時代からフィットネスクラブ内のパーソナルトレーナーとして活動。以来、初心者からアスリートまで、子どもから高齢者まで幅広い運動指導に従事。「誰にでも」「分かりやすい」「楽しい」トレーニング指導をモットーにパーソナルトレーニングジム・スポーツチーム経営を行っている。また、現在もアマチュアアスリートとして競技活動(陸上競技)を続けている日本一三段跳を楽しむアスレティックトレーナー。一般社団法人日本アスレティックトレーニング振興機構 代表理事。
ご契約についてお問い合わせください カスタマーセンター
電話番号

0120-500-625

営業時間10時~18時(年末年始を除く)

メールアドレス

info-water@nttr.co.jp