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暮らしと水

水中毒とは?水を飲み過ぎると起こる症状と
1日の適切な水分摂取量

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「1日にどれぐらいの量の水を飲めばよいのかわからない」「水を飲みすぎていないか心配」という方もいらっしゃるかもしれません。健康維持や熱中症予防のために、水分補給をしっかり行うことは大切です。しかし一方で、水の飲み過ぎには注意しなければなりません。今回は、水の飲みすぎが招く水中毒の症状や、1日の適切な水分摂取量をご紹介します。

水分補給が健康に欠かせない理由

水は私たちの体に最も多く含まれる物質です。成人では、体重の約60%を水が占めています。体内の水は、体重の約40%が細胞の中、15%が細胞の間、5%が血液に分布しています。

体内の水分量は年齢に応じて変化します。新生児では体重の約80%を水分が占めますが、成人では約60%まで下がり、高齢者ではさらに低下します。高齢者が脱水を起こしやすい背景には、体内の水分量の低下があるのです。

体内における水分の働き

体内の水分には、栄養素の消化・吸収を助けたり老廃物を運んだりと、さまざまな働きがあります。
体温の調節としての役割もあります。例えば、暑いときに体温の上昇を防ぐための仕組みとして、体内の水分を汗として外に出し、気化熱によって熱を下げます。

水分補給の必要性

このように重要な役割を担っている体内の水分ですが、尿や便、呼吸、汗として体から出ていくため、失った分を補う必要があります。何らかの原因で必要な水分を補うことができず、私たちが生きていく上で欠かせない体内の水分が減少してしまうと、さまざまな症状が表れます。

体内の水分を5%失うと脱水症状や熱中症などの症状が表れ、10%失うと筋肉の痙攣や循環不全などが起こります。20%失うと、死に至ってしまう危険もあります。

飲み過ぎによる「水中毒」とは?

脱水や熱中症などを防ぐための水分補給は非常に重要ですが、その一方で水の大量摂取にも注意が必要です。「水中毒」という言葉を聞いたことはあるでしょうか?

水中毒とは、水分を大量に飲んでしまうことで起こる病態です。血液の濃度が薄まると同時に血中のナトリウムの濃度が低下する「低ナトリウム血症」を引き起こし、重症化すると死に至ることもあります。

水中毒は、特に統合失調症などの精神疾患の患者に多くみられます。精神疾患の病態である不安や幻覚、妄想、焦燥といった症状から、水分を大量にとってしまうことが原因の一つとして挙げられます。

精神疾患がない人でも、発汗を伴うスポーツなどで大量に水を飲むことで、水中毒を起こすことがあります。

また最近では、水分補給に対する意識の高まりから、健康のためにと必要以上にたくさんの水を飲んでしまい、水中毒になる事例もあるようです。

水中毒の症状

腎臓の処理能力を超えるほど多くの水を飲んでしまうと、血液中のナトリウムの濃度が低下し、電解質のバランスが崩れます。
その結果、軽症の場合は頭痛やめまい、疲労感、嘔吐、浮腫などを起こします。重症の場合、痙攣や意識障害を起こし、命にかかわることもあります。

飲み過ぎにならない1日の適切な水分摂取量は?

では、1日にどれぐらいの水分をとるのが適切なのでしょうか?

水分の出入りの内訳

成人男性の場合、1日あたりの水分の出入りは約2.5ℓとされています。排出量の約2.5ℓの内訳は、尿や便として約1.6ℓ、呼吸や皮膚表面から約0.9ℓです。

体内で作られる水(代謝水)が約0.3ℓ発生するため、排出した水分を補うには、食事中の水分・飲み水などから1日あたり約2.2ℓ補う必要があります。

1日の水分摂取量の目安

どのような食事をとるかによって、飲み水として必要な量は異なりますが、1日あたり1.2ℓが飲料として摂取する目安量です。
コップ1杯(200mℓ)を1日6回程度飲むイメージをもっておくとよいでしょう。

ただし、この量はあくまで目安であり、実際の必要量には個人差があります。年齢や性別、体格はもちろん、食習慣などの生活習慣やその日の体調、汗や尿の量、気候など、さまざまな要因によって必要量は異なることを覚えておきましょう。

食事による水分補給の工夫

例えば、食事中にスープや味噌汁などの汁物を食べる習慣がない人は、その分飲料としての水分を多くとる必要があります。

具体的に、AさんとBさんのある日の昼食のメニューを比べてみましょう。

Aさん:ご飯、味噌汁、豚肉の生姜焼き、サラダ、果物
Bさん:菓子パン2個

この場合、Aさんに比べBさんは食事からの水分量が明らかに少ないため、その分飲料としての必要摂取量が増えます。

逆に考えると、水分補給が苦手だという人は、食事からの水分摂取を増やす工夫をすると良いのです。

毎食スープや味噌汁などの汁物をつけるほか、果物や野菜の量を増やすこともおすすめです。果物・野菜ともに、水分含有量が90%を超えるものも少なくありません。いつもの朝食に果物をプラスしたり、間食に食べるお菓子を果物に変えたりするだけでも、食事からの水分摂取量を上げることができます。

お酒を飲む人の場合、アルコールには利尿作用があるため、その分必要な水分量は増えます。また、運動などにより普段よりも汗をかくような場合には、その分多くの水分補給が必要です。

水分補給が特に重要なタイミング

水分補給のタイミングとして特に意識したいのは、スポーツ中やその前後、就寝の前後、入浴の前後です。お酒を飲む人の場合は、飲酒中や飲酒後にも水分をとるようにしましょう。なお、アルコールは利尿作用があるため、それ自体は水分補給として適していません。

スポーツなどで大量に汗をかく場合の水分補給は、特に注意が必要です。汗からは水分と同時に塩分などのミネラルも失われます。血液中のナトリウム(塩分)の濃度が低下して水中毒になるのを防ぐため、スポーツドリンクなどを利用して塩分も補給するようにしましょう。

また、喉の渇きを感じづらい冬場は飲水量が減少しがちですので、健康管理のために意識的に水分を補給しましょう。

水の飲み過ぎには「水中毒」などの危険性も。こまめに最適な量の水分補給をしましょう

水分は体内でとても重要な働きをしていて、私たちが生きていく上で欠かせないものです。熱中症予防や健康維持のために水分補給は大切ですが、水を飲みすぎることによるデメリットも。腎臓の処理能力を超えるほど多くの水を一度に飲んでしまうと、めまいや労感、嘔吐、浮腫などの「水中毒」の症状が表れる危険性もあります。

無理にたくさんの水を飲むのではなく、必要量には個人差があることを理解した上で、その日の気候や自分の体調をみながら、こまめに適量の水分を摂取するようにしましょう。

参考:
厚生労働省|「健康のため水を飲もう」推進運動
環境省|熱中症環境保健マニュアル2018
文部科学省|日本食品標準成分表2020年版(八訂)

執筆者プロフィール

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尾上 雅子(管理栄養士)
大学卒業後、食品メーカーにて、品質管理・商品企画・広報などの業務に携わる。現在は、企業やクリニックにてビジネスパーソンの健康サポートを行うとともに、商品・サービスの監修、コラム執筆など、食と健康の分野で活動中。
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