デイリーウォーター by goo

暮らしと水

授乳中の食事の注意点を管理栄養士が解説。母乳によい/悪い食材を知っておこう!

イメージ画像

母乳は、ママの血液から作られるものです。赤ちゃんはこの母乳から栄養を摂って大きくなります。そのため、ママはどんなものを食べれば赤ちゃんにとってよい母乳を与えることができるのか、気になる方もいらっしゃるでしょう。今回は、母乳にはどんな栄養素が必要なのか、また授乳中に食べたい食材や避けたほうがよいもの、食事における注意点についてご紹介します。

よい母乳にはどんな栄養素が必要?

赤ちゃんにとってよい母乳を与え続けるために、特に大切な4つの栄養素とその働きについて解説します。

たんぱく質

私たちの体を作る材料となっているたんぱく質。赤ちゃんの丈夫な体を作るうえでも必要となる栄養素のひとつです。

必要なエネルギー量は身体活動レベルによって変わりますが、通常、成人女性は1日に1700~2500kcalほど摂取することが推奨されています。

授乳中のママは、通常よりも1日あたり+350kcal多くエネルギーを摂取する必要がありますが、この分をたんぱく質からのエネルギーで摂取できるとよいでしょう。たんぱく質は、後述する鉄分との関わりとも強く、たんぱく質をしっかり摂取しておくことは貧血予防にもつながります。

鉄分

鉄分は、赤血球を作るのに必要な栄養素です。授乳中は血液から母乳を作るため、多くの血液が必要となり、1日9mgの鉄分を摂取することが推奨されています。
妊娠中も含め、貧血になりやすいので鉄分が不足しないように意識して摂取しておくことが大切です。鉄分の吸収を助けるビタミンCも一緒に摂ると、効率よく吸収することができます。ただし、鉄分を過剰摂取すると体に悪影響があるため、1日あたり40mg以下に留めるように注意してください。

ビタミンA

ビタミンAは、皮膚や粘膜の健康維持に働きかける栄養素です。母乳には多くのビタミンAが含まれているため、不足しないようにママが食事から摂取する必要があります。
18~49歳の女性の場合、1日に650~700μgRAEほどのビタミンAを摂ることが推奨されていますが、授乳中の場合は+450μgRAE多く摂取することが奨められています。これはビタミンAの多いにんじんだと1/2~2/3本ぐらいの量です。

ただし、ビタミンAは摂りすぎると、体の外に排泄されず蓄積してしまい、過剰症を引き起こすこともあるので注意してください。

ビタミンD

ビタミンDは、カルシウムの吸収を助けて強い骨を作る働きがある栄養素で、不足すると骨がもろくなってしまうことがあります。母乳栄養では赤ちゃんのビタミンDが不足しやすいという報告があるため、ママは食事からしっかりビタミンDを摂取しておくことが重要です。
成人女性の場合、1日あたりのビタミンD摂取量の目安は8.5μgとされていて、授乳中もこの量は変わりません。

葉酸

妊娠中から必要とされている葉酸ですが、授乳中も重要です。ビタミン類のひとつである葉酸は、赤血球を作る際に働きます。さらにたんぱく質や核酸といった体の成分を合成することにも働き、赤ちゃんにも必要な栄養素です。成人女性の場合、1日に240μgの葉酸を摂取することが推奨されていて、授乳中では+100μg摂ることが奨められています。

葉酸は水溶性で体内に蓄積されることがないため、毎日継続的に摂取することが望まれます。

参考:厚生労働省|「日本人の食事摂取基準(2020年版)」策定検討会報告書

授乳中に積極的に食べたい食材

授乳中におすすめの食材をいくつかご紹介します。

赤身の肉や鶏肉

たんぱく質を多く含む肉類の中でも、脂質の少ない赤身の肉や鶏肉がおすすめです。
牛肉や豚肉であれば、ヒレやももなど脂質が少なめの部位を選ぶとよいでしょう。赤身の牛肉には、鉄分も含まれています。
鶏肉は比較的脂質が少ないですが、気になる方は皮を除いたり、むね肉やささみを選んだりするとよいですね。

食べ方は、にんじんやいんげんを薄い牛肉で巻いた野菜の牛肉巻きや、蒸し鶏のサラダなど、お肉だけではなく野菜も一緒に食べられるようなメニューがおすすめです。ビタミンやミネラルも一緒に摂れて一石二鳥ですよ。

魚介類

肉と同じく、たんぱく質を含んでいる魚。ビタミンDや女性が不足しやすいカルシウムなどを含んでいるものが多いので、積極的に食べるとよいでしょう。鮭やたらなど脂質の少ない白身魚や、EPA・DHAを含んでいる青魚を選ぶとなおよいです。

鮭をクリーム煮にすると、ビタミンDとカルシウムを効率的に摂取することができます。また、あさりなどの貝類には、鉄分やビタミンB12が豊富に含まれています。味噌汁に入れたり、酒蒸しにしたりして食べると手軽に取り入れられます。

小松菜やほうれん草

小松菜やほうれん草は、ビタミンAに変換されるβ-カロテンを多く含む緑黄色野菜のひとつです。β-カロテンは油と一緒に摂取することで吸収率が上がるので、バターソテーなどで食べるのがおすすめです。

小松菜とほうれん草は鉄分を多く含むだけではなく、鉄分の吸収をサポートするビタミンCも含まれています。特にほうれん草は葉酸を多く含んでいるので、授乳中のママには積極的に食べてもらいたいです。

ビタミンCや葉酸などの水溶性ビタミンは、水に溶け出してしまうため、味噌汁やスープの具として使うのもおすすめですよ。

授乳中は避けたほうがよいもの

授乳中には、避けたほうがよい食品があります。ここでは、代表的なものをご紹介します。

カフェインやアルコールを含む食べ物・飲料

カフェインを含んだコーヒーや紅茶などの飲みすぎには注意しましょう。カフェインは母乳の中に入り、赤ちゃんに影響を及ぼす可能性があります。
1日にコーヒー1、2杯程度であれば、そこまで問題ではないので神経質になりすぎる必要はありません。

また、アルコールを摂取すると血中のアルコール濃度が上がり、母乳中のアルコール濃度も上昇することにつながります。すると、母乳の分泌量に影響が出たり、アルコールの分解が赤ちゃんにとって負担になってしまったりするケースも考えられます。授乳中のお酒は控えるようにしましょう。

ママが飲んだ薬の成分の一部が母乳へ入ってしまい、そのまま赤ちゃんの口の中に入ってしまう可能性があります。そのため、基本的に薬は服用しないようにしましょう。

ただし、どうしても薬の服用が必要な場合は、医師や薬剤師に相談してください。服用中に授乳を止められた場合は、粉ミルクで代用することもあります。

授乳中の食事で注意すること

授乳中の食事では、特に次のようなことに注意しましょう。

水分不足にならないよう水をこまめに飲む

母乳育児をしているママが、つい忘れがちなのが水分補給です。授乳中は、母乳から栄養だけではなく水分も一緒に体から出ていってしまうため、水分不足にならないようこまめに水を飲むことを心がけましょう。

体を冷やさないように、常温や温かい水(白湯)を飲むのがおすすめです。もちろん、味噌汁やスープなどからも水分を摂ることはできますが、それだけだと不足してしまうので注意してください。
目安としては、食事に含まれる水分と合わせて1日1~1.5リットル程度飲むようにするとよいでしょう。

買出しに行かずとも自宅に届き、冷水と温水で温度調節がしやすいウォーターサーバーがあると授乳中のママにも便利です。

主食からしっかりエネルギーを摂取する

産後は、妊娠中に増えた体重を気にして食事制限をしたいと考える方もいるでしょうが、授乳中はかなりエネルギーが必要になるため、極端なダイエットは危険です。ご飯やパン、麺といった炭水化物を多く含む主食から、エネルギーをしっかり摂っておきましょう。

不足しやすいビタミン・ミネラルをたっぷり摂る

ほかの栄養素と比べて不足しやすいのがビタミンやミネラルです。野菜や海藻を使ったメニューは、意識して摂取するように心がけるとよいでしょう。もちろん、たんぱく質を多く含む主菜と一緒に食べることも忘れないようにしてください。

ビタミンやミネラルをしっかり摂取することは、体内の代謝をサポートすることにもつながります。ママにも赤ちゃんにも健康でいられるように、しっかり摂取してくださいね。

授乳中でも、バランスのとれた食事を忘れずに

授乳中はよい母乳を与えるために食事に対して不安になってしまうことも多いかもしれませんが、基本は「バランスのとれた食事」です。主食・主菜・副菜が揃っているメニューを毎日継続して食べることが栄養バランスのよい食事となり、よい母乳につながります。
あまり神経質になりすぎずに、赤ちゃんとの時間を大切にしてくださいね。今回の記事を参考にして、今後の子育てに生かしていただけたら嬉しいです。

参考文献:
厚生労働省|日本人の食事摂取基準(2020年版)
妊産婦のための食事バランスガイド/農林水産省

執筆者プロフィール

宮﨑 奈津季(管理栄養士、薬膳コーディネーター)
介護食品メーカーで営業を2年間従事した後、独立。料理動画撮影やレシピ開発、商品開発、ダイエットアプリの監修、栄養価計算などの経験あり。現在は、特定保健指導、記事執筆・監修をメインに活動中。
ご契約確認・解約お手続きはこちらへ カスタマーセンター
電話番号

0120-500-625

営業時間10時~18時(年末年始を除く)

メールアドレス

info-water@nttr.co.jp