デイリーウォーター by goo

暮らしと水

【皮膚科医監修】汗かきは改善できる?
多汗症との見極め方は?

イメージ画像

外の気温が暑いときや運動したとき、ダラダラと滝のように流れ出る汗に困ったことはありませんか?
「汗の量が人より多い気がするけど……これってただの汗かきじゃなく多汗症なのでは?」と不安に思ったことがある人もいるかもしれません。汗をかき過ぎることにはいくつかの原因が考えられます。また、それが多汗症であれば、正しい治療方法を知ることが改善へとつながります。今回は、汗かきと多汗症との違いとその診断基準や、質の良い汗をかくために大切なポイントなどを詳しく解説します。

汗をかく仕組み

一般的に、ヒトの平熱は36℃前後に保たれています。これは体が一番活動しやすいとされている体温です。
ところが、気温の高い環境下にいたり運動したりすると、体温は平熱から上昇していきます。そこで体温を下げる役目を果たすのが、汗なのです。

人間の脳は、体温が上がりすぎていることを察知すると、体に「汗をかいて体温を下げなさい」という命令を出します。命令が全身に伝わると、皮膚組織にある汗腺という器官が汗を作り出します。それが皮膚表面に排出されることによって、汗をかいているという状態になるのです。

汗は蒸発するときに、体の熱を一緒に外へと逃がしてくれます。それにより上がりすぎた体温を下げてくれるという仕組みです。環境条件や体型によっても異なりますが、100gの汗は体温を約1℃下げてくれるとも言われています。

人が汗をかくのは、暑いときに体温を下げるためだけではありません。
ストレス、緊張や不安などを感じたときに交感神経が刺激されて手のひらなどに汗をかく「精神的発汗」や、辛い物を食べたり飲んだりしたときに発汗神経が刺激されて顔まわりに汗をかく「味覚性発汗」などもあります。

人が汗をかくのは体温調節や体が示す自然な現象として、生きているうえで欠かせないことなのです。

汗かきと多汗症の違い

自分が汗かきという自覚がある人は多いかもしれませんが、「多汗症」となるのはどこからなの?と疑問に思いますよね。

まず、人より多くの汗をかく「汗かき」は、医学的に病気とされるものではありません。先述したように、人間は体温を適温に保つために汗をかく必要があります。人それぞれ量は違っても、外気温の高い夏や運動中などにたくさん汗をかくことは正常な状態です。

一方の「多汗症」は、全身の発汗が増加する疾患として病名が付いた、病気の一つです。全人口の約1~3%、特に働き世代の20~60歳代が多汗症に悩んでいると言われています。

多汗症の人の体は、汗を分泌するエクリン汗腺の機能が異常に高まることで、体温調節に必要な量以上の汗をかいてしまっている状態です。
一日に何度も着替える必要があるくらい汗をかく、半年以上症状が続いているなど「日常生活に支障をきたす」ほどの症状がみられるかどうかが、多汗症の診断基準になります。

悪化すると人前に出るのが恥ずかしくなり対人恐怖症に陥ったり、汗を気にするあまり生活や仕事の質が下がったりしてしまうこともあるそうです。

多汗症の治療方法としては、
・外用薬や内服薬を使用する
・汗を抑えるボツリヌスを注射する
・交感神経切除の手術を受ける
などの方法が挙げられます。

汗をかきやすい箇所やその原因、症状のレベルによっても適切な治療法は違いますので、まずは医師に相談しましょう。

また、汗の量が急に増えた場合、その原因が多汗症ではなく甲状腺機能亢進症(バセドウ病)、褐色細胞腫、更年期障害などの病気による可能性もあります。ストレスや過労による自律神経失調症が原因の微熱による汗、というケースも考えられます。

このようにほかの病気との合併症として多汗症の症状が現れている場合は、根本となる病気を治療しなくてはいけません。多量の汗は病気のサインのひとつであることも覚えておき、気になるようなら早めに医療機関を受診するようにしましょう。

汗かきを改善するには?4つのポイント

汗かきを改善するには、日頃から適切なときに適切な量の汗をかいておくことが大切です。そのためには以下のようなことを意識してみましょう。

冷房に頼りすぎない

暑いからといって冷房の効いた部屋でばかり過ごしていると、汗をかきにくくなり汗腺機能が低下してしまいます。自力で体温調節する力が衰えることで自律神経の機能が低下し、体にだるさや疲れを感じる「冷房病(クーラー病)」という病気もあるほどです。

特に夏は、熱中症を防ぐために冷房を上手く使うことも大切です。ただし、外気温との差を5℃以内に設定したり、たまに窓を開けたりして冷房に頼りすぎず適度に汗をかける環境になるよう工夫しましょう。

適度に体を動かす

ウォーキングやジョギングなどの有酸素運動をすることで、汗腺を鍛えて質の良いサラサラの汗が出せるようになります。
サラサラの汗は体に必要なミネラル分は残しながら水分だけを排出するので、限りなく水に近い成分でにおいもほぼありません。蒸発しやすいため、体温調節も効果的におこなうことができます。

運動は少し汗ばむ程度の負荷や速さで、毎日20~30分を目安におこなうのが効果的です。運動の前後にはしっかりと水分補給をして、熱中症などに注意しながら無理のない範囲でおこなってみましょう。

半身浴で汗をかく

入浴は新陳代謝を促し、汗腺機能を鍛えるのにもとても効果的です。37~38℃くらいのお湯にみぞおちあたりまで浸かる半身浴がおすすめです。湯船に10~15分ほど浸かり、体の芯まで温まることで汗腺がしっかり開き、質の良い汗が出てくれます。

入浴後はすぐに服を着たりエアコンの風に当たったりするのではなく、少し裸のままで汗をかくとより効果的です。ただし、風邪をひかないように冷えには注意してくださいね。

食生活に気を付ける

ピーマン、ゴーヤ、イチゴ、バナナなどの食べ物には、カリウムが多く含まれています。カリウムは体内の熱を排出してくれる働きをするため、過度な汗の予防が期待できます。

辛いものや酸味の強いもの、コーヒー、紅茶などのカフェインを含むものは、交感神経の働きを優位にして汗をかきやすくします。汗を抑えたいのならこれらの食品も控えたほうがいいでしょう。

大豆製品や生姜、酢、オリーブオイルなどは汗の質をよくしてくれるのでおすすめです。においの少ないサラサラの汗を目指すなら、肉類や脂っこい食べ物は控えたほうがいいでしょう。

リラックスできる時間をつくる

過度なストレスは交感神経を刺激し、多汗症の原因になります。心身を緊張状態から解き放ちリラックスできる時間を作ることも、多汗症の予防に効果的と言えるでしょう。

好きな香りのアロマを嗅いだりハーブティーを楽しんだりと、自分がリラックスできる方法を見つけておくといいでしょう。

水分補給も忘れずに

「汗をかきたくないから水分をとるのを抑えよう」と思う方もいるかもしれませんが、それは危険です。汗をかくと体内から水分がでていきますので、しっかり水分補給をしないと脱水状態になりかねません。天然水やミネラルウォーターといった水、運動時など汗を多くかいた際にはスポーツドリンクやイオン飲料などでこまめに水分補給をして、上手に汗をかいていきましょう。

監修者プロフィール

イメージ画像

稲葉 岳也(日本耳鼻咽喉科学会認定 耳鼻咽喉科専門医・日本アレルギー学会認定 アレルギー専門医)
東京慈恵会医科大学卒業後、千葉大学大学院にて医学博士取得。
東京慈恵会医科大学附属病院、聖路加国際病院を経て、2004年にいなばクリニックを開業。
皮膚科・形成外科領域のレーザー治療、及びアレルギー疾患の総合的治療が専門。
皮膚科、美容皮膚科、形成外科、美容外科、耳鼻咽喉科、呼吸器内科、アレルギー科を主体として、幅広い視点で総合的な診療を行っている。
レーザー機器を導入した医療を行っており、幅広い年齢層を対象としたホームドクターとして、地域密着の診療に尽力。
いなばクリニック http://www.inabaclinic.jp/
ご契約確認・解約お手続きはこちらへ カスタマーセンター
電話番号

0120-500-625

営業時間10時~18時(年末年始を除く)

メールアドレス

info-water@nttr.co.jp